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『融資の知識を身につけよう~相殺~』 [企業再生]

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相殺は、ある2人が互いに相手に対して同様の債権を持っている場合に、その対等額についてはお互い返済することはやめましょうという制度です。

このような制度が認められるのは、互いに返済をする面倒が省けることや、2人(AとB)のうち1人(A)が返済不能となった場合にAはBに返済できないのにBはAに返済しなくてはいけないというのでは不公平となるからです。



相殺の要件

・両債権が同種の目的をもっていること。
・両債権が互いに対立していること。
・両債権の性質が相殺を許さないものでないこと。
・両債権が共に弁済期にあること。

このような要件を備えていなければなりません。また、この要件を備えている状態のことを「相殺適状」といいます。それでは、次にそれぞれの要件について銀行取引を前提に見ていきたいと思います。


<両債権が同種の目的をもっていること>
銀行が債権者として有している貸金債権も、顧客が銀行に預けている預金債権も共に金銭債権となります。


<両債権が互いに対立していること>
銀行は貸出先に貸金の返済を、預金者は銀行に対し預金の払い戻しを請求する権利を有しており、貸出先と預金者が同一人である限り両債権が対立していることになります。
保証人に対して銀行は貸金債権は有していませんが、保証債務の履行を請求する権利を有しています。よって、この権利と保証人の預金債権は互いに対立する関係にあるといえます。


<両債権の性質が相殺を許さないものではないこと>
例えば、AがBに絵をかくという契約をした場合、Aが絵をかかないからといってBが相殺を主張することはできません。
しかし、銀行取引一般においては両債権の性質が相殺を許さないものであるとはまずなりません。

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<両債権が共に弁済期にあること>
貸金債権と預金債権の期日が同時にやってくる場合はわかりやすいのですが、殆どが同時に期日を迎えることは無く、どちらかの期日が先に来ることになります。
普通、借入人は期限(期日)が来るまで返済を迫られるようなことはありません。これを「期限の利益」といいます。

例えば、貸金債権の期日は5月1日、定期預金債権の期日が4月1日の場合、債務者は5月1日までは借入を返済しなくても良いという期限の利益を持っていることから5月1日以降でないと相殺はできません。

この逆で、貸金債権の期日が4月1日、定期預金債権の期日が5月1日の場合は、債務者は4月1日までに借入を返済する義務があります。
一方、銀行は5月1日まで預金の払い戻しをする義務はありません。しかし、5月1日以前に相殺したいと思っても銀行が持っている期限の利益が邪魔になって相殺できないのは問題です。
そこで、銀行は自らの期限の利益を放棄することにより4月1日以降、いつでも相殺が可能となるという仕組みになっています。



まとめ

「相殺」という言葉を聞くとあまり耳触りの良いものではありませんが、融資の知識としては持っておく必要のある分野です。

債務者が弁済不能となり、且つ、第三者からの弁済もされなかった場合の回収手段として使わる、ということをご理解頂ければと思います。


 


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